香典をいただいた方に、香典のお礼として渡すのが「香典返し」です。金額の相場や、お返しの時期、品物の選び方や、相手別のマナーなど、最低限のマナーを把握しておくのは大切なことです。そこで今回は、香典返しの一般的なマナーについて詳しく解説いたします。
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目次
「香典返し」のギフト 6つのマナーを確認しましょう
香典返しを贈る時期は?当日でも良い?
近親者が喪に服している忌中の期間は、香典返しやお礼状の送付は控えるようにしましょう。香典返しは、四十九日法要を済ませた忌明け後、2週間以内に、挨拶状とともに贈るのが一般的とされています。香典返しの準備は、初七日から忌明け法要までの期間に、法要の準備と並行して進めましょう。もし遅れてしまった場合は、詫び状を添えて贈るようにしましょう。
近年は、通夜や葬儀当日に香典返しを渡す「当日返し」(即日返し)の場合も多くなってきています。当日返しは、香典の額にかかわらず一律でその場で香典返しをお渡しします。当日返しの予算相場は2,000円~3,000円程度とされています。送付先の管理や金額に応じた品物の選定をしないことは、当日返しのメリットともいえるでしょう。ただし、いただいた香典が高額であった場合には、忌明け後に半返しを目安にお礼の品を贈るのが良いとされています。
香典返しの金額の相場って?
香典返しの金額の相場は一般的に「半返し」といわれています。例えば、10,000円の香典をいただいた方には5,000円相当の品物を贈ります。 ただし、必ずしもそれがふさわしくない場面も存在します。 例えば、高額のお香典に対しては、必ずしも半返しである必要はなく、いただいた金額の3分の1~4分の1程度が良いとされています。高額の場合、その多くは、葬儀の足しにしてほしいという気持ちが込められているものです。そのご厚意に甘えてお返しの金額を調整することで、相手に逆に気を遣わせないための配慮になります。
また、一家の大黒柱が亡くなり、遺された子供が未成年だった場合は、「これからの生活に役立ててください」という配慮から、香典返しをしないこともあります。ただし、そのような場合でも、無事に法要な執り行われたことや、感謝の気持ちをお伝えするために、ご挨拶状やお礼状をお送りするのが一般的です。弔電やお悔やみの手紙のみをいただいた場合や、故人の遺志や遺族の意向があった場合なども、香典返しをせず、ご挨拶状・お礼状を送付します。
葬儀当日にお返しする「当日返し」の場合は、およそ2,000円~3,000円程度の品物をお返しすることが多いようです。受け取った香典が高額だった場合は、後日、四十九日を過ぎてからお礼の品を贈りましょう。
香典返しにおすすめの品物は?
香典返しには、「不祝儀を残さない」という考え方から、後に残らない“消えもの”を贈るのが一般的です。“消えもの”とは、お菓子、お茶、海苔などの食品や、タオル、石けんなどの消耗品のことです。食品の場合は、軽くて日持ちがするもの。消耗品の場合は、すぐに使える実用的なものが人気です。最近ではカタログギフトも選ばれているようです。会社や職場に対して香典返しを贈る場合は、大人数で分けやすいお菓子の詰め合わせなどが適しています。
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香典返しに贈ってはいけない品物は?
肉や魚などの生ものや、お酒や鰹節、昆布など慶事で使われるものはタブーとされているので要注意です。おめでたいイメージのある、紅白の組み合わせのものや、松竹梅の絵柄のものもNGです。金券や商品券など金額がハッキリとわかるものも贈らない方が良いでしょう。
お礼状は必ずつけた方がいい?
香典返しを宅配便などでお届けする場合は、お礼状を添えるのが一般的です。いただいた香典へのお礼だけではなく、法要・納骨が無事に済んだこと、戒名の報告などの意味もあるからです。しかし、相手側がご近所の場合や親戚の方などに直接お渡しする際は、お礼状は書かずに、「ありがとうございました」などのお礼の言葉を直接かけてください。
「熨斗(のし)」はどうするの?
香典返しは弔事なので、黒白または地域により黄白の結び切りの水引を選びます。「蓮の花」が描かれたものは仏式の葬儀のみで使われるため、他宗教の場合は避けるようにしましょう。 表書きは「志」が最も一般的です。関西~西日本の場合は「満中陰志」、他にも「粗供養」「偲び草」など、地域や宗教により表書きが異なる場合もありますので、事前に調べておくとよいでしょう。迷った時は、宗教問わず使用できる「志」が無難です。 贈り主の名前は、水引の下に書きます。四十九日を迎える前に贈る場合は薄墨を、四十九日後の場合は黒を使うなど、香典返しを贈る時期によって墨の色は変わります。地域によっては忌が明けた場合も薄墨を使用する場合があります。
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知っていますか?香典返しの豆知識
香典返しの由来は?
香典返しとは、故人にお供えいただいたご厚志(香典、玉串料、お花料、お供え)に対して、忌明け法要を無事に終えたことと、感謝の気持ちをお伝えする返礼の品物のことです。香典とは、仏式などの葬儀で、霊前に供える金品のことを指します。「香」の文字には、香・線香の代わりに供えるという意味があり、不幸のあった家のお葬式を手伝うときに、自分の食膳の代わりとして、食材や亡くなった人に手向ける香を持ち寄ったことから発展したものです。そのため本来はそれに対してのお返しは特に必要はなく、お礼の挨拶回りをしたり挨拶状を書くなどして、感謝の気持ちを伝えればそれで良いものでした。しかし、弔問客が故人の冥福を祈るとともに、家族を亡くして遺族が何かと出費が多いことや、葬儀に伴う多額の出費に対する心遣いの気持ちから、 金銭的に助けになるようにと、次第に「お香」の代わりに「これでお香を買ってください」という意味も込めて、現金を包むようになりました。
今では社会的な慣習として、遺族はそれに感謝の意を表するために、また弔問へのお礼の気持ちも込めて、四十九日法要がすんだ忌明けに「香典返しの品物」と「挨拶状」を贈る習慣が一般的になりました。
香典返しは地域によって差があります。
ご紹介したように、香典をいただいた際は、香典返しを贈るのがマナーです。しかし、この習慣は全国一律ではなく、地域によって差があります。食糧が不足していた戦後間もない頃に、住民たちの間に、冠婚葬祭にあてる費用をできる限り減らし、生活の質を向上させようという運動が広がりました。こうした運動のなごりから、香典は受け取っても香典返しは受け取らないという習慣を続けている地域もあります。
香典返しが不要な場合もあります
公的機関や民間企業の一部には、香典返しの受け取りを禁止している組織があります。この場合、不祝儀袋に「香典返しは不要です」と明記されているので香典返しは不要です。また、一家の大黒柱が亡くなったり、小さな子どもがいる場合など、遺族の状況によっては「香典返しは不要」として香典をいただくこともあります。そのような場合でも、電話や手紙などで感謝の気持ちを伝えましょう。
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香典返しのマナーは、仏式やキリスト教式など、宗教によって内容が異なることもあるので注意してください。また、地域によっても異なる場合があるので、どうしたらいいのか悩んだ時は、あらかじめ両親や親戚などに確認しておくと良いでしょう。香典返しは、香典に対するお礼の意味だけではなく、相手の方との絆をしっかりつないでいく大切な贈りものでもあります。正しいマナーを守って贈りましょう。
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