春の足音とともに、お花見の季節がやってきます。満開の桜を愛でるお花見は、四季折々の自然が見られる日本でもっとも美しいイベントといっても過言ではないでしょう。しかし、毎年お花見を楽しんでいるという方でも、お花見の由来や歴史をご存知の方は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、お花見の由来や歴史、お花見を楽しむために必要なマナーについてご紹介します。
目次
お花見の歴史
お花見の起源には諸説がありますが、今から約1,300年前の奈良時代には、すでに貴族が花を愛でていたという記録が残されています。しかし当時は桜ではなく梅が主流でした。これは桜が決して好まれていなかったわけではなく、桜はとても神聖な木として考えられていたためです。「万葉集」には桜を詠んだ歌が多数残されており、桜は神が宿る木として信仰の対象にもなっていました。
お花見の花が梅から桜に移り変わっていったのは、平安時代に入ってからです。嵯峨天皇が催した「花宴の節」という宴が、桜の花でのお花見の起源といわれています。貴族の行事だったお花見は、その後、武士の間にも広まっていきました。中でも、豊臣秀吉による「吉野の花見」や「醍醐の花見」は有名です。「醍醐の花見」ではお花見のために700本もの桜が植えられ、豪華絢爛な茶会が催されました。
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お花見が庶民の楽しみとして広まったのは、江戸時代以降です。特に農民にとって、桜は農作業の開始時期を知らせるためになくてはならない木でした。田畑を耕し始める春が来ると、野や山に出かけて桜を愛でる「野遊び」が行われていました。神の木として信じられていた桜の下で宴を催すことで、その年の五穀豊穣と健康を願ったといわれています。
この時代までのお花見は、野生の桜の代表種である「ヤマザクラ」が主流でしたが、江戸時代後期になると、桜の交配や改良が盛んに行われるようになりました。およそ250〜300種類の桜が誕生したといわれ、オオシマサクラとエドヒガンを改良した「ソメイヨシノ」もそのひとつです。ソメイヨシノは、江戸時代末期から明治にかけて、染井(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋が吉野桜の名前で全国各地に売り出しました。奈良県にある吉野のヤマザクラと区別するために「染井吉野」と名付けたのが由来だといわれています。ソメイヨシノは栽培しやすいという特徴があることから日本各地に広がり次々と桜の名所が生まれました。
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お花見のマナー
桜の木には触れない
桜の枝を折ったり、花を傷つけることは絶対にNGです。昔から「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉がありますが、桜はとてもデリケートな木です。枝を折られた桜は、小さな傷口ひとつで全体が枯れてしまう可能性もあります。写真を撮るために枝を無理矢理引っ張る行為も厳禁です。また、木に登ったり、周辺の土を荒らすのもやめましょう。
場所取りに配慮する
お花見を楽しむためには、すこしでも良い場所を確保する必要がありますが、必要以上に広いスペースを占拠したり、他の人の場所を横取りすることがないよう心がけましょう。また、場所取りの際にロープやテープを枝に引っ掛けたり、根に直接座るなど桜の木を傷つける行為も慎んでください。公園の芝やベンチなどの設備も傷つけることがないよう配慮しましょう。
火の扱いには十分注意を
お花見会場によっては火気の使用が禁止されている場合があります。お花見で火気を使用する場合は、使用が許可されている場所なのかどうか、あらかじめしっかり確認しておきましょう。もし火気が使用できる場所であっても、周囲の人の迷惑にならないよう、くれぐれも気をつけてください。
トイレは余裕を持って
お花見会場の多くは、トイレの数が不足しがちです。特に女性用トイレには常に長蛇の列ができ、数十分待つことも珍しくありません。会場についたら、まずトイレの場所と数をあらかじめチェックしておきましょう。山や川沿いの桜の名所ではトイレがないところもあります。トイレを見かけたら念のために行っておくと良いでしょう。
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飲酒トラブルに注意する
お花見には、お酒がつきものかもしれません。美しい桜を愛でながら、みんなで楽しくお酒を飲めば、どうしても普段よりも浮かれてしまうでしょう。しかし当然のことながら、大声で騒いだり、他の花見客に絡んだりするというのはもってのほかです。また、住宅街などのような場所で夜桜を楽しむ場合は、遅くならないように早めに花見を切り上げるなど配慮をしてください。
ゴミの後始末は責任を持って
お花見で必ず話題になるのがゴミの問題です。人手が多く集まるような大きなお花見会場には、あらかじめゴミ箱などが用意されていますが、お弁当の容器、空き缶やペットボトルなど、自分たちが出したゴミは持ち帰るのがマナーです。会場内のゴミ箱に捨てる場合はルールに従って分別して捨てましょう。
子どものケアを万全に
お花見は、子どもにとっても特別なイベントです。楽しくなるあまりに、桜の木に登ったり、ぶら下がったりする可能性があるので、保護者の方がしっかりとフォローしましょう。他の花見客の迷惑になると大人どうしでトラブルになることもあります。マナーを常に心がけて、楽しいお花見にしてください。
いかがでしたでしょうか。お花見は、日本人の精神に深く根付いている特別なイベントです。マナーを守って、お花見をぞんぶんに楽しんでください。
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