毎年2回、春と秋にやってくるのが「お彼岸」です。誰もが一度は耳にしたことのある「お彼岸」ですが、その意味や注意すべきマナーまで知っているという方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、大人ならぜひ知っておきたいお彼岸の基本的な知識とマナーについてご紹介します。
お彼岸とは?
お彼岸とは、春と秋の年2回訪れる日本独特の行事です。昼と夜の長さがほぼ同じになる、春分の日と秋分の日の前後3日間を含めた7 日間のことを指します。「彼岸」という言葉はサンスクリット語の「波羅密多(パーラミター)」を漢訳した「到彼岸」を略したものだといわれています。“煩悩から解放された悟りの世界”という意味にあたり、その境地に到達するために行う修行期間を意味するとされています。仏教国は世界にいくつかありますが、ご先祖様や故人に手を合わせたりお墓参りをする「お彼岸」の風習があるのは、日本だけです。
お墓参りはいつ行けばいいの?
お彼岸には1週間という期間がありますが、いつお墓参りをしなければいけないという決まりはありません。ご家族の都合の良い日、天気の良い日を選んで、1日だけお墓参りをすれば良いとされています。しかし一般的には、お彼岸の中日に行くという方が多いようです。春分の日も秋分の日も祝日なので道路や公共の乗り物などは混雑する可能性があります。中日にお墓参りをする場合は、前日までに帰省するなど、余裕を持って行動する必要があります。時間帯にも特に決まりはありませんが、朝一番や午前中にお墓参りをする方が多いようです。
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お彼岸期間外にお墓参りに行くのはマナー違反?
もちろんお彼岸の期間の間にお墓参りを済ませることが理想的ですが、さまざまな事情で期間中に行くことができない場合は、お彼岸期間以外の時期でも問題ありません。夏休みやお正月など、帰省を行ったタイミングで行ってください。家に仏壇がある場合は、線香を手向けて手を合わせるだけでも大丈夫です。もっとも大切なのは、ご先祖様や故人を敬う気持ちです。
お墓参りに行く時の服装は?
男性の場合は、白のワイシャツか黒のスーツが定番です。女性の場合は、黒のスーツかワンピースが良いでしょう。黒ではなく紺やグレーでも構いません。いずれの場合でも極力肌の露出は控えるのがマナーです。小物は光沢のない黒のものを使用し、アクセサリーも真珠などの一連のネックレスを選ぶと無難です。
お彼岸の手土産の相場は?
お彼岸の手土産の相場は、地域や各家庭によって異なります。それぞれの習慣に準ずるべきものですが、一般的には、3,000〜5,000円程度が相場といわれています。中には、品物ではなく現金を包むという方もいらっしゃいます。その場合は、相場の範囲内で用意すれば問題ありません。
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お彼岸のおすすめのお供え物は?
お彼岸のお供え物といえば、ぼたもちとおはぎが定番です。羊羹や落雁(らくがん)などの和菓子や、グレープフルーツやオレンジなど丸い形の果物をお供えすることもあります。ご先祖様や故人の好きだったものをお供えするのがベターですが、魚や肉などのなまものや、ニンニクなどにおいの強いものは避けたほうが良いでしょう。また、お菓子や果物などは、そのまま放置しておくと腐ってしまうので、お墓参りを終えた後には持ち帰るのがマナーです。
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お彼岸に用意する花はどんなものがいいの?
菊やユリ、カーネーション、ガーベラなどは、丈夫で長持ちするのでお彼岸には適しています。一年中手に入れることができる花であるということもポイントです。また、季節の花を加えるという方も多く、春のお彼岸の場合は、マーガレットやアイリス、キンセンカなどが。秋のお彼岸の場合には、グラジオラスやリンドウ、ケイトウなどが選ばれているようです。生花店で予算や好みに合わせてアレンジメントを作ってもらうのもおすすめです。
避けたほうがよいとされる花もあります。
× トゲがある花(バラ、アザミなど)…トゲは攻撃的なイメージを与えるので、ご先祖様や故人に失礼にあたるとされています。
× 毒がある花(彼岸花、スイセンなど)…毒を持つ花をお供えすることも、ご先祖様や故人に対して無礼にあたるとされています。
× ツルがある花(スイートピー、クレマチスなど)…ツルが絡みつく様子が、成仏できない様子を想起させるためNGとされています。
お彼岸の「のし」は?
お彼岸はお祝い事ではないので、白い紙に水引だけが印刷されたものを使うのが一般的です。そうでない場合は、「のし紙」ではなく「掛け紙」を使います。掛け紙は、香典などに利用する黒白や黄白の掛け紙を利用するのが一般的です。水引は、あわじ結びや結び切りのものを選び、色は黒白・黄白・双銀、本数は5本のものを選んでください。表書きには、毛筆や筆ペンで「御仏前」もしくは「御供」と書きましょう。四十九日を迎える前であれば、「御仏前」ではなく「御霊前」となります。結び目の下には、贈り主の名前をフルネームで書きましょう。どこからの手土産なのかが一目でわかるので、受け取る側にとってはありがたいものです。
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いかがでしたでしょうか。お彼岸の過ごし方や、お供えの仕方などは、地域や各家庭によって異なります。しかし、今回ご紹介したマナーは、どんなお彼岸にも通じる基本的な内容です。後々、恥ずかしい思いをしないよう、しっかり押さえておくことをおすすめします。穏やかな気持ちで手を合わせて、ご先祖様や故人に想いをはせてみませんか。
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