冠婚葬祭やお祝いの品を贈る機会に欠かせないのが、風呂敷です。しかし、「物を包む」という役割以外にも、さまざまな使い方があることをご存知でしょうか。そこで今回は、風呂敷の種類や用途、選び方についてご紹介します。
目次
風呂敷とは?
風呂敷の語源は、その名の通り、「風呂での敷物」からきているといわれています。諸説ありますが、もっとも有名なのは室町時代、三代将軍・足利義満が建立した大湯殿に入った大名たちが衣服を間違えないように、家紋をつけた袱紗(ふくさ)に脱いだ着物を包み、湯上りに袱紗の上に座って身なりを整えたのが風呂敷の始まりといわれています。風呂敷が「物を包む布」として用いられるようになったのは、江戸時代に入ってからです。銭湯に行く庶民が着物と湯具を風呂敷に入れて持ち帰ったといわれています。
風呂敷は、サイズ、素材、文様などによって種類を分類することができます。
サイズから選ぶ
風呂敷のサイズは「巾(はば)」という単位で表します。ハンカチサイズの小さなものから、布団まで包める大きなものまで、種類はさまざまです。
中巾(約45cm〜50cm)
もっとも小さなサイズで「小ふろしき」とも呼ばれます。ご祝儀や小物などをラッピングするのに適しています。「袱紗」としても使えます。
二巾(約68cm)/二尺巾(約75cm)
贈りものを包み際によく使われる一般的なサイズです。菓子折やお弁当などを包むのが定番です。平包みやワインを包む時にもよく使われます。
二四巾(約90cm)/三巾(約105cm)
ワインや一升瓶を包む際に使われる大きさです。アレンジ次第でバッグやインテリアにも使える、普段使いしやすいサイズです。
四巾(約130cm)
タンスの中の整理整頓に便利なサイズです。着物を一式まとめて包むこともできます。座布団なら2〜3 枚包める大きさです。
五巾(175cm)
収納やインテリアとしてだけではなく、持ちにくい大きな箱や額などを安全に持ち運ぶ際にも役立ちます。座布団なら5枚ぐらい包める大きさです。
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素材から選ぶ
風呂敷に使われる素材は、主に6種類あります。好みや用途に合わせて使い分けましょう。
正絹
最も格式が高く高級な素材で、美しい光沢と滑らかな質感が特徴です。冠婚葬祭などの大切な行事、お歳暮やお中元、お祝いの品を包む時に重宝する風呂敷です。
レーヨン
「人絹」とも呼ばれるほど、絹に近い特性を持った素材です。絹のような手触りと光沢を持ちながら、絹よりも安価で気軽に使用できるという利点があります。水に濡れると縮んでしまうため、洗濯する場合には注意が必要です。
綿
丈夫で程よい固さの綿は、最も身近な天然素材です。エコバックやテーブルクロス、クッションカバーなどインテリア雑貨としても使用されています。吸水性にも優れているので家庭でも洗濯できます。
ポリエステル
丈夫で軽くコンパクトにたためる素材です。水にも強く、縮むことも色落ちもほとんどないので、家庭でも簡単に洗濯できます。エコバックにもよく使われています。
ナイロン
薄くて軽い素材なので、風呂敷の中でも特にコンパクトにたためます。 水にも強く、色落ちもほとんどありません。速乾性にも優れており、しわにもなりにくいのも特長です。
再生繊維
ペットボトルなどの再生糸を原料とした繊維です。近年の環境への意識の高まりから、再生繊維のようなリサイクル素材の開発が進んでいます。
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文様から選ぶ
風呂敷に描かれている文様には、さまざまな願いが込められています。その紋様にどんな意味があるのかを知っておくと、風呂敷を選ぶ楽しみが広がります。
唐草
風呂敷の中でも、最もスタンダードな文様です。ギリシア神殿のつる草がモチーフとされており、シルクロード経由で日本に渡ってきたのが由来だといわれています。前面に伸びている蔦の模様は、延命、長寿、子孫繁栄にもつながるとされています。とても縁起の良い文様なので、お祝いの品を包む際には最適です。
鮫小紋
細かい点で円弧形を描いている様子が、鮫の皮のように見えることから「鮫小紋」と呼ばれています。着物の柄にも使われていることから、結婚式やお宮参りなど、おめでたい場で用いられています。
麻の葉
細かいひし形が重なってできた幾何学模様の「麻の葉」には、邪気をはらう力があるとされています。また、麻は丈夫でまっすぐ伸びる植物です。このことから、出産祝いや子どもの成長を願う贈りものに用いられます。
青海波
扇の重なりで、どこまでも続く大海原を表現した文様です。「平穏で幸せな暮らしがいつまでも続く」という想いが込められており、シーンを選ばずに使える人気の文様です。
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いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したように、風呂敷には、実にさまざまな種類があります。包み方のアイデアひとつで、使い方は無限に広がります。冠婚葬祭のお祝いや、季節の贈りもの、ちょっとした手土産まで、毎日のいろいろなギフトシーンで使ってみてください。
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