9月の第3月曜日は「敬老の日」です。「お年寄りを敬い、長寿をお祝いする日」として親しまれている国民の祝日ですが、世界の「敬老の日」はどのようものなのでしょうか。由来や風習に違いはあるのでしょうか。そこで今回は、世界の「敬老の日」をのぞいてみましょう。
世界の「敬老の日」は?
世界には、どのような「敬老の日」があるのでしょうか。代表的な7ヶ国についてご紹介します。
アメリカ
アメリカでは、9月の第2日曜日の「National Grandparent’s Day(祖父母の日)がそれにあたります。1973年に、ウエストバージニア州の主婦が、自分の祖父母と孤独な老人たちのために始めた慰問活動が話題となり、各地へ広がっていったそうです。正式に祝日として制定されたのは、1978年のこと。現在では、「孫が祖父母に対し、感謝と尊敬の念をあらわす日」として親しまれています。孫が自分の祖父母にグリーティングカードやお花(忘れな草=Forget-Me-Not)を贈るという習慣があります。
中国
中国では、旧暦の9月9日の「重陽節」が「敬老の日」にあたります。9を「陽数(奇数)」と呼んでいたことから、9が2つ重なる「9月9日」を祭日としていました。9は「久」と同じ発音であり、「永久」や「長寿」という意味合いもあることから、1989年に「重陽節」を「敬老の日」と定めました。この時期になるとお年寄りのためのさまざまな行事が行われています。山登りをしたり、蒸したお菓子を食べるなどの風習があるそうです。
韓国
韓国には、「老人の日」と呼ばれる日があります。しかし、国民の間での知名度は低く、ほとんど知られていないようです。お年寄りに対して特別に贈りものを渡すような習慣もありません。なぜなら韓国には、目上の方を敬う「仁」の思想が日頃から根付いているため、あえて祖父母を敬う日を設ける必要がないからです。感謝の気持ちを1年に1回しかあらわさないのは、むしろ不敬だという考えもあるようです。
<バター豊かな風味は紅茶やコーヒーと相性抜群 「シガール」はこちら>
イタリア
イタリアの「敬老の日」は、1年に2回あるのが特長です。キリストの祖母である聖アンナを祝福する「7月26日」と、2005年に国の法律によって定められた「10月2日」です。どちらも祝日ではありませんが、「祖父母の日」と名付けられた10月2日は、各地でさまざまなイベントが開催されているようです。幼稚園の子供たちが、お年寄りを招待して歌を聞かせるなどの微笑ましい光景も見ることができます。アメリカと同じように「忘れな草」をプレゼントするという風習もあります。
イギリス
イギリスには「敬老の日」にあたる日がありません。家族で祖父母を敬うような特別なイベントもあまり見られないようです。イギリスは「個」の意識がとても強い国なので、たとえ親子であっても必要以上に干渉しないという文化が根付いているからです。年長者を敬う気持ちがないわけではないと思いますが、日本から見るとすこしドライな印象があるかもしれません。ただし、申請をしておけば、100歳、105歳、それ以降の誕生日になると、女王陛下から祝電のカードが届くことになっています。
ポーランド
ポーランドでは、1月21日を「祖母の日」、1月22日を「祖父の日」としています。「祖母の日」は女性誌が提唱して作られたそうですが、「祖父の日」よりも先に来ているのは、レディーファーストのヨーロッパらしい風習かもしれません。ポーランドは家族の結びつきが強い国でもあり、当日は家族で一緒に食事をしたり、孫から祖父母へ手紙を渡して過ごすことが一般的です。
<個包装だから、家族みんなで楽しめる ヨックモックのクッキー詰め合わせはこちら>
日本の「敬老の日」は?
「敬老の日」は、内閣府の資料(国民の祝日に関する法律)によると「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。その始まりは、1947年に兵庫県で開催された「敬老会」だと言われています。当初は9月15日と定められていましたが、「ハッピーマンデー制度」の導入により、2003年から「敬老の日」は9月の第3月曜日となりました。2022年の「敬老の日」は9月19日(月)です。
いかがでしたでしょうか。由来や風習などは国によってさまざまですが、人生の先輩であるお年寄りを敬う気持ちは万国共通のようです。「敬老の日」当日は、世界各地のお年寄りにも想いを馳せてみてはいかがでしょうか。また、今回ご紹介した内容を、おじいさんやおばあさんにもお話ししてみてください。「敬老の日」がさらに思い出深い一日になるでしょう。
【関連コラム】