日本には古くから長寿をお祝いする文化があります。60歳をお祝いする「還暦」や、70歳をお祝いする「古希」などが有名ですが、90歳をお祝いする「卒寿」もそのひとつです。そこで今回は、卒寿の意味や由来、お祝いに関するマナーなどをご紹介します。
2022年に卒寿を迎えられる方は、満年齢でお祝いする場合は1932年(昭和7年)、数え年でお祝いする場合は1933年(昭和8年)です。
卒寿とは?
卒寿とは、長寿のお祝いの1つで、90歳のお祝いのことを指します。卒寿という名は、「卒」の略字である「卆」が「九十」に分解できることからきています。長寿をお祝いする習慣は平安時代に中国から伝わったとされていますが、当時は90歳まで生きる人は非常に少なかったため、卒寿のお祝いが行われることはほとんどありませんでした。
そのほかの長寿のお祝いとして、60歳の還暦、70歳の古希、77歳の喜寿、88歳の米寿、99歳の白寿、100歳の百寿(または紀寿)があります。100歳以上となると、108歳の茶寿、111歳の皇寿、112歳の珍寿、118歳の天寿、120歳の大還暦と続いていきます。81歳をお祝いする「半寿」は、傘寿と1年しか変わらないため省略する方もいらっしゃいます。
卒寿のお祝いはいつするの?
卒寿のお祝いをする時期は、地域によってさまざまなので特に決まっていません。しかし、数え年で90歳になっている間に行うようにしましょう(実年齢より1歳下の89歳の時点に行うことになります)。最近は、卒寿のお祝いと誕生日を一緒にお祝いするという家庭が多いようです。しかし家族で考え方が違うと、贈りものやお祝いの仕方も変わるので、事前に家族どうしで話し合っておくことをおすすめします。お祝いする日を決める場合は、以下のようなことに留意してください。
家族や親戚が集まりやすい日を選びましょう
卒寿を迎える誕生日や敬老の日、お盆やお正月、ゴールデンウィークなど、家族や親戚がなるべくたくさん集まれる日を選びましょう。ご本人にとっても、1人でも多くの人にお祝いしてもらえれば、喜びもひとしおです。
本人の体調を考慮して選びましょう
最近は高齢でも元気な方が増えていますが、さすがに90歳ともなれば健康面で心配なこともあります。春や秋といった比較的過ごしやすい季節を選ぶなど、体調に配慮して日程を決めましょう。移動に負担がかかることもあるので、自宅でお祝いの食事会を開くのもいいかもしれません。
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卒寿のお祝いの相場は?
卒寿のお祝いの相場は立場によって異なります。兄弟や親戚どうしで金額に差が出ないよう事前に相談しておくことをおすすめします。
子どもから両親へ贈る場合
両親に贈る場合は、20,000〜30,000円が相場です。
孫から祖父母へ贈る場合
祖父母に贈る場合は、10,000〜30,000円が相場です。
親戚に贈る場合
叔父や叔母など親戚に贈る場合は、5,000〜10,000円が相場です。
友人・知人に贈る場合
友人や知人に贈る場合は、5,000円前後が相場です。
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卒寿のお祝いにはどんなものがふさわしいの?
卒寿のお祝いは、古希や喜寿と同様に、紫色がテーマカラーになっています。紫色は、日本では昔から高貴な色として様々なものに使用されていました。中でも、濃い紫はもっとも高い位とされていました。このことから、卒寿のお祝いには、紫色のアイテムやお花を贈ったり、紫色のちゃんちゃんこを用意することが多いようです。
おすすめの卒寿祝いは、下記の通りです。
プリザーブドフラワー
お祝いに花を贈るのは定番ですが、生花は手間もかかりますし枯れてしまうこともあります。そこで人気なのがプリザーブドフラワーです。手入れの必要もありませんし、美しい姿のまま長持ちするので、長寿のお祝いにぴったりです。絹のような光沢のあるトルコキキョウや、スイートピーなどは特に人気です。
湯呑み
紫色の湯呑みもおすすめのアイテムです。男女問わず使えるのはもちろん、名入れできるものもあるので、卒寿のお祝いにぴったりです。90歳のお祝いなので、デザインや素材だけではなく、持ちやすさや重さも考慮したものを選びたいものです。湯呑みと一緒にお茶に合いそうなお菓子なども合わせて贈ると気が利いていて喜ばれます。
衣類
90歳にもなると、体のどこかに不調を感じるという方が多くなります。日常生活を少しでも快適に過ごしてもらえるように、肌触りのいいパジャマを贈るという選択肢もあります。特にシルクはなめらかで着心地もいいので快適に過ごしていただくことができます。ラベンダー色のセーターやニットは気持ちまで若々しくしてくれます。
いかがでしたでしょうか。平均年齢が男女ともに80歳を超える日本においても、90歳という年齢まで元気でいらっしゃるということは特別なことです。いつまでも元気でいてもらうためにも、心のこもった卒寿のお祝いを贈りましょう。
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