出会いと別れの季節といわれる春。新年度に切り替わるタイミングでもありますが、年度替わりは社会人にとって、ひとつの節目です。異動や転勤、新入社員の入社など、さまざまな出会いがありますが、新年度にふさわしい挨拶をきちんとこなすことが大切です。
そこで今回は、社会人なら知っておきたい新年度の挨拶マナーをご紹介いたします。
目次
新年度の挨拶はどのように済ませたらいい?
ビジネスシーンでは、年明けに行う新年の挨拶に次いで、新年度の挨拶も重要です。社内の人に向けた挨拶であれば、直接対面したときや懇親会、歓迎会などで済ませることができますが、社外の人に向けた挨拶はメールや電話で行うのがおすすめです。もちろん、直接こちらから出向き、顔を合わせて挨拶ができればスムーズですが、新年度は何かと身のまわりの環境が変わるタイミングでもあるため、思うように時間が取れないこともあります。
これは先方も同じで、人事異動や新入社員の入社準備などで忙しく、挨拶のための時間が取りにくいので、新年度の挨拶はメールや電話で済ませるのが良いでしょう。
新年度の挨拶方法
新年度の挨拶には、メールで挨拶する方法と、電話で挨拶をする方法があります。挨拶の方法を選ぶときは、相手との関係性や相手の人柄、状況などを見極めることが大切です。
1:メールで挨拶を済ませる場合のポイント
新年度の挨拶をメールで送る際は、手紙を書くようなイメージで新しい季節の訪れを祝う文章を取り入れるのがポイントです。書き出しは「拝啓」として、次に新年度に切り替わって新たな季節になったことを感じさせる文章を選びましょう。
一般的によく使用されるのは、「陽春の候」「春暖の候」「仲春の候」「桜花の候」などです。どれもうららかな春を表現する言葉で、暖かみを表現できます。季語を取り入れたあとは、「皆様におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。」などのような挨拶の言葉を入れ、新年度の挨拶につなげましょう。
また、メールでの挨拶では、先方の様子や体調をお伺いする文章と、「さらなるご発展とご活躍をお祈りいたします。」という結びの文章を追加することもポイントです。挨拶を機に伝えたいことがたくさんあったとしても、あくまで新年度のご挨拶をするためのメールなので、長くなりすぎないよう注意しましょう。
【メールの文例】
○○○○株式会社
△△△部 ★★様
拝啓
陽春の候 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
株式会社XXXX □□□部 ▲▲▲でございます。
昨年度は大変お世話になり誠にありがとうございました。
本年度も貴社のお役に立てるよう一層精励する所存でございます。
引き続き、ご指導、ご鞭撻のほどを何卒よろしくお願いいたします。
何かとお忙しいことと存じますが
貴社のさらなるご発展とご活躍を心よりお祈りいたします。
敬具
2:電話で挨拶を済ませるときのポイント
メールではなく直接自分の声でご挨拶をしたいという方には、電話がおすすめです。メールでは見落としてしまうこともありますが、電話であれば確実に相手に挨拶を伝えることができます。ただし、相手によっては電話よりもフランクなメールが好まれる場合もあります。
電話で新年度の挨拶をするときも、長くなりすぎないよう要点をまとめて話すことがポイントです。新年度の挨拶のために電話をしたこと、今後もよいお付き合いをしたいこと、電話の時間をいただいたことへの感謝などを簡潔に話して、手短に電話を切りましょう。
【電話の文例】
いつもお世話になっております。
株式会社XXXXの▲▲▲でございます。
昨年度は大変お世話になり誠にありがとうございました。
本年度も何卒よろしくお願いいたします。
いかがでしたでしょうか。ビジネスシーンでは、社内外の人に挨拶をすることが多々あります。しかし、意外に新年度の挨拶をきちんと行う人は少ないものです。しっかりした日本語で挨拶ができると、それだけで周囲の方からの評価も上がります。新たな気持ちで迎える新年度のスタートこそ、今回ご紹介したマナーをマスターして気持ちのいい挨拶を行いましょう。