会社に勤めていると「永年勤続」という言葉を耳にすることがあると思います。「永年勤続」とは、どんな意味でしょうか。そこで今回は、永年勤続の意味やお祝いの相場、定番のギフトなどの基本マナーについてご紹介します。喜ばれるもの、避けたいものもあわせて解説しますので参考にしてください。
目次
永年勤続とは?
永年勤続(永年勤続表彰)とは、会社に長年勤めてくれた社員に対し、これまでの労いとこれからの期待を込めて表彰する制度です。永年勤続の対象となる勤務年数は企業によって異なりますが、一般的には10年・20年・30年など10年ごとの区切りで行うことが多いようです。最近は、働き方の多様化により、かつての「終身雇用制度」の考え方は薄れつつありますが、若者の離職や転職が増えている今、社員のモチベーションアップを高めるというメリットもあるようです。
永年勤続の相場は?
永年勤続のお祝いの相場は、贈るものと勤続年数によって異なります。「永年勤続表彰制度に関する調査」(2006年:産労総合研究所)によると、以下のようになっています。年数が長いほど予算は高くなる傾向があります。
勤続年数5年:
記念品の場合 約1.5万円/賞与の場合 約1.7万円
勤続年数10年:
記念品の場合 約3.6万円/賞与の場合 約3.6万円
勤続年数15年:
記念品の場合 約3.7万円/賞与の場合 約4.9万円
勤続年数20年:
記念品の場合 約7.4万円/賞与の場合 約7.4万円
勤続年数25年:
記念品の場合 約7.1万円/賞与の場合 約9.1万円
勤続年数30年:
記念品の場合 約13.1万円/賞与の場合 約13.2万円
永年勤続の「のし」は?
永年勤続は社内を対象とした表彰ですが、長年勤めた労いと期待を込めたお祝いごとなので、のしをつけて贈るのがマナーになっています。水引は「紅白蝶結び」のものを選び、表書きには「勤続○周年記念」「祝勤続○年」「御祝」などと書きます。水引の本数は奇数が基本(3・5・7)です。
永年勤続の定番のギフトは?
永年勤続のお祝いとして一般的なのは、「賞与」「お祝いの記念品」「有給休暇」の3つです。どれか1つのみを贈る会社もあれば、「賞与+記念品」「賞与+有給休暇」というように組み合わせて贈る会社もあるようです。有給休暇は「リフレッシュ休暇」などの名称で呼ばれ、平均5日〜10日ほどの休暇を与える会社が多いようです。
きっと喜ばれる!永年勤続におすすめのギフト4選
旅行券
長年勤めてもらった労いの意味を込めて、旅行や旅行券などを贈る会社も多いようです。ただし、旅行券は給与課税対象にあたるケースがあるので注意しましょう。「旅行券支給後、1年以内に旅行を実施する場合」「旅行の範囲が、支給した旅行券の額面からみて相当である場合」は課税対象にはあたりません。実際に旅行をした証拠も提出することが必要です。
商品券
永年勤続のお祝いといえば、商品券が定番です。実用性が高く、使い道も自由に選べるので喜ばれるでしょう。予算に合わせて金額設定ができるのもポイントです。有効期限がない商品券を選ぶのがおすすめです。
カタログギフト
永年勤続のお祝いとして最近定番なのが、カタログギフトです。受け取った方が自由に好きなものを選べるため誰からでも喜ばれます。好みがわかれるインテリアや家具・雑貨のカタログよりも、国産グルメが楽しめるものや上質なブランドアイテム、ご夫婦で楽しんでいただける体験型のカタログなどがおすすめです。
トロフィー、表彰盾
トロフィーや盾も、永年勤続表彰の記念品として定番です。デスクや部屋に飾っておけばいつでも目に入るものなので思い出に残る記念品になります。クリスタル製のものは高級感があって見栄えもします。表彰者の名前や社名などを彫刻したものであればさらに記念になります。
永年勤続のギフト選びで注意すること
永年勤続のお祝いは給与課税になります!
永年勤続のお祝いとして、現金、商品券、QUOカードを贈る場合は、全額が給与課税されます。さらにカタログギフトや高額な宝飾品なども、給与課税の対象になることがあるので注意しましょう。
避けたほうが良いギフトがあります!
靴下や靴、バスマットは「足で踏みつける」ことから、目上の方に贈るのはNGとされています。「縁を切ること」を想起させるハサミや包丁などの刃物類、「クシ」のような「9(苦)」や「4(死)」を連想させるものもお祝いごとの贈りものにはふさわしくありません。
いかがでしたでしょうか。永年勤続は長い間会社に貢献してきた人を讃えるものです。今回ご紹介した内容を参考に、社員のモチベーションにつながる素敵な贈りものを選びましょう。