ギフトの教科書
秋の風物詩といえば、お月見（十五夜）です。お団子を食べながら、夜空に浮かぶ満月をゆっくり眺めるだけで穏やかな気持ちになりますよね。しかし、お月見の時期や由来を知っている方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、お月見にまつわる基本知識、お供え物の意味や供え方のマナー、定番の楽しみ方などについてご紹介します。
お月見はいつ？
お月見は、十五夜と呼ばれています。十五夜とは、「中秋の名月」の呼称です。中秋とは秋の真ん中という意味で、旧暦で秋にあたる7月〜9月のちょうど真ん中である8月15日の月を指します。十五夜の日付は、月の満ち欠けの周期（新月から満月）が約15日と一定ではないため、毎年1〜2日程度ずれることがあります。2022年の十五夜は、9月10日です。
お月見の由来、歴史は？
お月見の風習は、中国の唐の時代の「中秋節」に由来し、日本には平安時代に伝わったとされています。もともと日本では月は神聖なものと考えられており、月を愛でる風習は古くからあったそうです。当時の貴族たちは月を眺めながら、お酒を飲んだり、音楽を優雅に奏でながら、宴を開いて楽しんでいたようです。庶民の間に広まったのは、江戸時代の初期です。秋の収穫への感謝と翌年の豊穣を願う豊作祈願のお祭りとして行われるようになりました。
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お供え物の意味は？
お月見のお供え物にも、それぞれに意味があります。
お団子
お団子は、もともとは収穫を祈る意味で、お米の団子を供えたのが始まりとされています。真っ白で丸い形は「満月」を見立てており、月への感謝と健康や幸福を祈って供えられるようになりました。
ススキ
ススキは、稲穂の代わりとされています。また、昔から神様が宿る植物といわれており、魔除けになるとされていました。神聖なススキをお供えすることで魔を遠ざけ、翌年の豊作と健康や幸福を祈る意味がこめられています。お供えしたススキを家の軒に吊るしておくと一年間病気をしないといわれています。
野菜、果物
お団子やススキの他に、里芋やサツマイモ、きぬかつぎ、栗など旬の野菜や果物をお供えすることもあります。ぶどうなどツルがある農作物は、月と人のつながりが強くなるという意味があり、縁起がいいとされています。十五夜は「芋名月」とも呼ばれています。
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お供え物の供え方のマナーは？
お月見に供えるお団子の数は、十五夜という名前から15個が定番です。15個では多すぎるという場合は、5個でもよいでしょう。供え方は、「三方」という器（もしくは皿）に白い紙を敷き、お団子をピラミッドのように積み上げます。積み上げたお団子は、月がよく見える窓際や床の間に置きます。ススキや野菜、果物などを一緒にお供えする場合は、お団子は右側に置くのがマナーとされています。お供えしたお団子や果物は、お月見が終わったら、おいしくいただきましょう。
お月見のおすすめの楽しみ方は？
お供え物の準備ができたら、食事や晩酌をしながら美しい月を眺めましょう。できるだけ部屋の照明を暗くして、ろうそくやキャンドルを灯すとムード満点です。月に映るウサギを探してみたり、月の美しさを短歌や俳句に詠んでみるのもおすすめです。お月見が終わったら、お供えしたお団子や果物は、おいしくいただきましょう。
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いかがでしたでしょうか。中国から伝わったお月見は、今や秋の風物詩として大切に受け継がれています。今回ご紹介した由来や歴史に想いを馳せながら月を眺めれば、より風流にお月見を楽しむことができるのではないでしょうか。
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