祖父母や両親が60歳を迎えた際、親族そろって“還暦祝い”を行ったという方は多いと思います。人生の節目をお祝いする年祝いは、還暦のほかにも数多くあります。たとえば、77歳の「喜寿」、88歳の「米寿」、99歳の「白寿」などが挙げられますが、実は70歳も「古希(古稀)」としてお祝いする習慣があります。
そこで今回は、身近な方が古希を迎える際に覚えておきたい、古希祝いのマナーとおすすめの贈りものをご紹介いたします。
古希とは?
先ほどご紹介したように、古希とは、70歳の節目で行う長寿祝いのことです。中国の唐時代の詩人、杜甫の詩『曲江』にある「人生七十古来稀なり(古くから、七十年生きる人は稀である)」という一説に由来しています。数え年で70歳を迎える年、つまり満年齢で69歳を迎える年に行うのが一般的です。しかし、近年は人生の節目におけるお祝い事を満年齢で行う方も増えており、家族や親族が集まりやすい年を選んで行うのも良いでしょう。 古希祝いの食事会は、誕生日の前後や敬老の日、誕生日を迎える年のお正月にお祝いするのが一般的です。還暦祝いでは赤いちゃんちゃんこや頭巾、座布団などを贈りますが、古希をお祝いする色は「紫色」です。これは、紫色が陰陽五行において最も位の高い色であることに由来しています。
古希祝いのマナーは?
古希祝いの食事会が開かれる場合は、お祝い金やプレゼントを用意したいですよね。古希祝いの相場は、古希を迎える相手との関係性によって変わります。一般的に、両親の場合は10,000円~100,000円、祖父母の場合は10,000円~30,000円、親戚や知人・友人の場合は5,000円~20,000円程度が相場です。地域によって相場は異なるため、あらかじめ家族や親戚に住んでいる地域の相場を尋ねておくことをおすすめします。
お金やお祝いの品を包む際は、表書きに「古希御祝」「御古希御祝」「祝古希」と記し、紅白または金銀の水引をかけます。長寿祝いは何度あってもうれしいお祝い事なので、繰り返し行いたいという思いを込め、水引は蝶結び(花結び)のものを選びましょう。遠方で食事会に参加できない場合は、誕生日や敬老の日、お祝い会が開かれる時期に合わせて郵送するのがおすすめです。
<のし・手提げ袋無料 ヨックモックのギフトサービスはこちら>
古希祝いにおすすめのプレゼント
古希祝いのプレゼントはどのようなものが人気なのでしょうか。いくつかご紹介しましょう。
お祝いメッセージ入りのギフト
古希のお祝いには、家族からのお祝いのメッセージを入れた似顔絵やポエムはいかがでしょうか。「いつもありがとう」や「いつまでも元気でいてね」など、普段は言えない想いをプレゼントに込めて贈ることができます。世界のどこにもない一点もののプレゼントこそ、70歳という記念の日にふさわしい贈りものかもしれません。
名前入りのギフト
メッセージを入れるのが気恥ずかしいという方には、名前の入ったアイテムをプレゼントするのもおすすめです。お酒が好きな方には、名前入りの「徳利」や「お猪口」を贈りましょう。ご夫婦で愛用できるペアの「マグカップ」や「湯呑み」も喜ばれるようです。
旅行券
70歳ともなれば、形のある品物よりも、家族との思い出や絆がより大切に思えるようになります。そこで人気なのが「旅行券」です。お孫さんも含めて家族みんなで行くのもよし、夫婦水入らずでのんびりするのもよし。宿泊先も好きな場所を選べるので、いろいろな使い方ができます。体が動く元気なうちに楽しんでもらいましょう。
花
「紫色」の花を贈るのも古希祝いの定番です。高貴で上品な印象を与える紫は、相手を大切にする敬意や思いやりを表す色でもあり、古希にふさわしい色といっても良いでしょう。しかし、紫と白という組み合わせは仏花を想起させるためNGです。また、「鉢植え」も「寝(根が)付く」として縁起が悪いとされています。どんな花にするか迷った時は、プロである花屋さんにお任せするのが無難です。
<ご用途やご予算に応じてお選びいただけます ヨックモックのクッキー詰め合わせはこちら>
古希祝いに贈ってはいけないプレゼントは?
70歳といっても、最近は男女ともにまだまだ元気な方が多いです。杖や老眼鏡など明らかに「年寄り扱いをされた」と思われるようなアイテムは避けましょう。また、“苦”や“死”を連想させる「くし」、“別れ”を想起させる「ハンカチ」、“足で踏みつける”という意味になる「靴、靴下」など縁起の悪いアイテムも避けたほうがよいでしょう。
古希祝いのお返しは?
基本的には古希祝いのお返しは不要ですが、祖父母や両親のために遠方の親戚がお祝いに足を運んでくれた場合は、紅白まんじゅうなどの祝い菓子、お赤飯、菓子折りを内祝いとして贈るのがおすすめです。内祝いの場合は、お祝い金の2分の1~3分の1程度の金額を目安に品物を選びましょう。
<お祝いのお返しに まごころが伝わる「シガール」はこちら>
おめでたい長寿のお祝い
古希のような長寿のお祝いは、何歳でお祝いをしていいのか? いつどんな機会でお祝いの会を催すのか? いろいろと悩ましいものです。しかし昨今では、「数え年」ではなく「満年齢」でお祝いをされる方が多く、お祝いの日取りについてもあまりとらわれずに、家族や親戚が一同に会しやすい日程が選ばれているようです。
・還暦(かんれき) : 数え年は61歳、満年齢は60歳、お祝いの色は赤色です。
・古希(こき) : 数え年は70歳、満年齢は69歳、お祝いの色は紫色です。
・喜寿(きじゅ) : 数え年は77歳、満年齢は76歳、お祝いの色は紫色です。
・傘寿(さんじゅ) : 数え年は80歳、満年齢は79歳、お祝いの色は金や黄色などです。
・米寿(べいじゅ) : 数え年は88歳、満年齢は87歳、お祝いの色は金や黄色などです。
・卒寿(そつじゅ) : 数え年は90歳、満年齢は89歳、お祝いの色は白色です。
<ラングドシャ―生地にチョコレートをサンド 人気の「クッキーラングドシャー」はこちら>
いかがでしたでしょうか。大切な家族や親戚が長生きできることは、とても喜ばしいことです。ご自宅でごちそうを囲んでアットホームなお祝いをしたり、レストランやホテルを予約してちょっと贅沢なお祝いをするのもよいでしょう。温泉旅館など旅先でゆったりと過ごしたり、会いに行けなければ心を込めた贈りものでお祝いをするのもおすすめです。喜寿や傘寿、米寿や卒寿と、これから先も末永く長寿をお祝いできるよう、これまでの感謝やこれからの健康を願って、70歳の節目である古希も盛大にお祝いしましょう。
【関連コラム】
60歳の長寿祝い 「還暦」の意味とギフトマナー NGの贈り物とは
77歳は「喜寿」 由来とお祝いの相場 ギフト選びのポイントを解説